方向音痴って、なおるんですか?

自己啓発

書籍情報

著者:吉玉サキ

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ページ:190

出版社:株式会社 交通新聞社

発行日:2021年5月21日

この本のまとめ

この本は、方向音痴な人が街歩きができるように書かれています。

色々な街に関する雑学が書かれているため、方向音痴じゃない人でも「なるほど」と思ってしまうことが多いです。

googleMAPなどでは地図が勝手に回るため迷いやすいく、紙の地図だと迷いにくくなります。

目的地に着く前に道を予習しざっくりと目印を覚えておく、2つ目印があると良いでしょう。

地形がその街の発展の歴史に関わっており、国などによって同じ地形でも街が違ってたりします。

地名で災害の危険度はわかりません。その土地の伝説は地名から後付けでつける場合が多いです。

工夫次第で方向音痴を改善することは可能です。

でも迷ってもいいので街歩きを楽しみましょう。

1.自分や脳を知る

方向音痴な人の考え方や脳機能から方向音痴を改善する方法を探っていきます。

地図をくるくる回してしまう

方向音痴の人には、地図をくるくる回す人がいるようです。

回さないと頭で一度処理しないといけないため、回すことは問題ありません。

地図を地面と平行に持って、進行方向を前にすればよりわかりやすいでしょう。

地図の上に自分が立つイメージです。

最初の1歩を勘で歩き出す

マップアプリを使っていると、自分がどっちに歩き出せばいいか分からなくなることがありませんか?

そんな時は目印を2つ以上持てば、位置を特定できます。

また歩く前にあらかじめ地図を予習しておくと良いでしょう。

スタート地点から目的地までの道順や目印をざっくり覚えておけば、目印を見落としにくくなります。

迷わないコツ

迷わないためのコツは以下の4つにまとめられます

  • 曲がり角などの目印を2つ以上用意し、あらかじめ予習しておく
  • 地図の上に立つイメージで、街を俯瞰的に見る
  • 地図は回しても良い、グーグルマップなどで勝手に回転して困る場合は、地図を固定する機能がある
  • 大きめのタブレットや紙の地図を使うなど、スタートからゴールまでの道順が全部見られるようにする

2.地形・地名を知る

地形図から街並みを見る

すり鉢型の地形には独特の魅力があり、街の構成にも関係しています。

すり鉢の地形になっている場所には猫が多かったり、暗渠などの川の痕跡が残っていたりします。

暗渠の周辺にはクリーニング屋さんや銭湯、お豆腐屋さんが多く、これは水を捨てやすいためです。

また、千葉の下総台地は水はけが良く水田には向いていません。

そのため、仕方なく梨をつくっていましたが、今ではそれが名産品になっています。

このように地形と産業・文化は大きく関係しているのです。

映画『君の名は。』ラストシーンについて

東京都新宿区の須賀神社には、映画『君の名は。』ラストシーンの舞台になった階段があります。

須賀神社の本殿は台地の際になっており、そこから谷底に住宅街が広がっている地形です。

須賀神社の階段は、丘の上と谷底という2つの違う世界をつなぐ階段ということになります。

映画『君の名は。』ラストシーンでは、おそらく2人は社会人で通勤途中です。

それぞれ別の駅から来て、須賀神社の階段ですれ違います。

瀧くんと三葉ちゃんの2人の世界が、丘の上と谷底という2つの世界をつなぐ階段で交わるのは象徴的ですね。

ちなみに本書の作者様はこう言っていますが、みなさんどう思われたでしょうか?

『君の名は。』の瀧くんの高校、すごい都心にありますよね。初めて入れ替わったとき、三葉ちゃんがグーグルマップを見ながら高校に行くの、よくたどりつけたなぁと思いました。

方向音痴の人、そう思わなかった?

吉玉サキ. 方向音痴って、なおるんですか? (p.29). 株式会社交通新聞社.

地名の由来について

日本の地名は当て字が多いです。

例えば「羽」を使った地名は多いですが、実際に羽を由来にした地名はほぼありません。

「羽」は埴(ハニ)という粘土質の土地からついたと思われています。

「羽」にしたのは、そのほうがカッコいいからだそうです。

中国から漢字が入ってきたとき、「好字二字」といって「国や郡の名前は2文字でなるべくいい字を使う」という命令が出ました。

それまで1文字や3文字だった国も無理やり2文字にし、「和泉(いずみ)」の「和」など、読まない黙字もできました。

土地と地名は必ずしも関係のあるものではないため、地名から土地の安全性はわかりません。

例えば、池袋は水を象徴するサンズイの漢字を持っています。

しかし池袋は台地で、9割以上は浸水の心配がありません。

「沼がつく地名は危ない」という説もありますが、それは沼に住んでいたのではなく、沼を見下ろせる場所に住んでいた可能性が高いです。

土地を選ぶ際は、国土地理院ウェブサイト(https://maps.gsi.go.jp/)で土地条件を確認すると良いでしょう。

方向音痴は克服しなくていい

方向音痴はすぐなおるものではありません。

ですが、現在地を確認する、方角を意識する、脳内に地図を描く、など細かい工夫で良くなっていきます。

しかし大切なのは、その土地の地形やストーリーを意識し、街歩きを楽しむことです。

迷うことが楽しいこともあります。

あとで地図を確認して、自分が迷った道を復習するのも楽しいものです。

感想

方向音痴の人は地図を読む手助けになります。また方向音痴でない人も、方向音痴の人の気持ちがわかる本だと思いました。

本書では脳や地図・地形や地名などから、方向音痴を克服できそうな知識を対話式で紹介しています。

地形の話や地名の話など興味深い内容が多く、自分の住んでいる土地についても興味がわいてきます。

さらに実際に街歩きの様子を写真付きで紹介しており、実際に自分が散策しているような、一緒に方向音痴を克服するような、物語的な楽しみもありました。

最初は少しハラハラする面もありましたが、本書を読んで一緒に方向音痴を克服してみてはいかがでしょうか。

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